社会人も週末1日は勉強 〜「自分の」スキルを自分でアップする習慣が、若手の未来を変える〜

はじめに

社会人になると、学生時代とは違い、毎日が仕事中心で過ぎていきます。目の前の業務をこなすだけで精一杯になり、「勉強は必要だと思うけれど、平日は疲れてしまって無理」「週末くらい休みたい」と感じる若手も多いでしょう。

しかし、会社の仕事を通じて身につく力は確かに多いものの、それだけで将来にわたって通用する“自分の力”が十分に育つとは限りません。仕事で経験は積めますが、学ぶ内容や順番は、配属先や上司、担当の業務に左右されてしまいます。つまり、会社任せでは「今必要な力」は身についても、「将来の自分を強くする力」までは十分に育たない場合が多々あるのです。

だからこそ、若手のうちから「自分のスキルは、自分でアップする」という意識が大切になります。

社会人になってからの勉強は、誰かにやらされるものではなく、自分の可能性を広げるための投資です。週末に自分の成長のために時間を使う。この習慣が、数年後に大きな差になります。

第1章 なぜ若手ほど“週末の勉強”が重要なのか

若手社員にとって最も大きな財産は、「伸びしろ」です。若手の時期は、知識も習慣も吸収しやすく、考え方ひとつで成長スピードが大きく変わります。

一方で、若いうちは「今困っていないから、まだ大丈夫」、「資格は今すぐなくても仕事はできる」、「英語は必要になってから学べばいい」、そう思っているうちに、時間だけが過ぎてしまいます。

成長していく若手には共通点があります。それは、日々の仕事に加えて、自分で学ぶ時間を持っていることです。資格取得、英語、読書、ITスキル、プレゼン力、文章力など、自分に必要なテーマを少しずつ積み上げればよいのです。

会社の研修や上司の指導は重要ですが、それを最大限に活かせるのは、日頃から自分で学ぶ姿勢を持っている人です。

若手研修や若手教育の効果も、本人の学習習慣によって大きく変わります。

第2章 最初は嫌でも、学びは必ず後で役に立つ

入社して間もない頃、ある部長から「週末一日は勉強しなさい」と言われました。ところが当時は、毎日遅くまで残業しており、「休みの日まで勉強なんてとんでもない」と感じていました。「20代なので遊びたい」、という気持ちが強かったのだと思います。

それでも、同期が次々と情報処理の国家試験に合格していく中、自分だけがなかなか受からない。後輩も入ってくる。焦りもあり、結局は週末に勉強するようになりました。

最初から前向きだったわけではなく、私はどちらかというとソフトだけはやりたくないと考え、半導体関連の仕事がしたくて日立に入りました。きっと苦手意識もあって自分の言い訳にしていたのでしょう。割り切って自分はこんな資格はいらないと思えばいいのかもしれませんが、逆に小心者のおかげで、頑張ることになりました。

言い訳をいくら並べても、他の人からは、単に資格がないという事実しかわかりません。

少し時間はかかりましたが、資格は、受かってしまえば「先に受かっていても、後に受かっても関係ない」ありません。幸い基本情報処理の次の年には応用情報処理も受かり一安心でした。

最初の感情がどうであれ、積み上げた努力は、ちゃんと力になります。

学びは、始める時点では必ずしも好きである必要はありません。必要だと分かっていても気が進まないものはあります。けれど、いったん身につけてしまえば、それは自分の財産になります。しかも資格や実績は、自分の努力を第三者に伝える分かりやすい材料になります。

後に面接官を担当した際も、口で「私は**ができます」と言われても、実際の力はすぐには分からないと感じていました。しかし資格があれば、「この程度の知識は身についている」と判断しやすいのです。

つまり、学んだ証拠を持つことは、自分の可能性を他者に伝える武器になります。

第3章 勉強は、今の仕事のためだけにするものではない

もう一つ私の例として、英語の話を挙げさせてもらいます。

研究所に配属された際、毎週英語の論文を渡され、グループで順番に担当して勉強会を行っていました。当時は英語がそれほど得意ではなく、週末に単語を調べるのに多くの時間を費やしました。正直、楽しい学びではありませんでした。

しかし、その積み重ねが後に役立ちます。最初から海外出張が決まっていたわけでも、すぐに英会話が必要だったわけでもありません。ただ少し英語を話すことができるようになりたいとは考えていました。

英語に触れ続けたことで基礎ができ、後に英会話スクールに通った時にも役立ち、結果として海外出張にもつながりました。

面白いことに「あの時は何のためかよく分からなかった努力」が、後になって効果が出てくることがあります。人生不思議なことは多いものです。つまり、何をやっても無駄になることはないということでしょう。

若手のうちは、勉強の効果をすぐに得ようとしがちです。しかし本当に価値がある学びは、数か月後ではなく、数年後の場合も多いのです。10年後かもしれません。

だからこそ、「今すぐ役に立つか」だけで判断しないことが大切です。学びに無駄はありません。英語でも、ビジネス書でも、プログラミングでも、簿記でも、文章力でも、自分の可能性を広げる学びは、どこかで必ずつながります。

そして、いつか努力の結果は活かされます。

週末一日かける必要はなく、数時間でも自分のスキルアップに費やしてみましょう。

第4章 若手が週末に学ぶべき“自分のスキル”とは何か

ここでいう「自分のスキル」とは、会社の指示がなくても、自分の価値を高めてくれる力です。

たとえば次のようなものです。

まず、仕事の土台になるスキルです。論理的に考える力、時間管理、文章作成、プレゼンなどは、どの業界でも役立ちます。こうしたビジネススキルは、技術職であっても極めて重要です。むしろ、技術力だけで差がつきにくい時代ほど、「技術以外の重要性」が大きくなります。

次に、証明できるスキルです。資格取得はその代表例です。もちろん資格だけですべてが決まるわけではありませんが、努力を客観的に示す材料として有効です。ぜひ、皆さんも若い時に、記憶力のいいうちに資格にどんどん挑戦してください。

但し、「挑戦に遅すぎると言うことはない」ことも覚えておいてください。

さらに、将来の選択肢を増やすスキルです。英語、AI活用、会計知識、マネジメントの基礎などは、今後のキャリアの幅を広げます。今の仕事に直結しなくても、「後に効果のある学び」は若手のうちに仕込んでおくと強いのです。

大切なのは、完璧を目指さないことです。週末1日といっても、毎回丸一日机に向かう必要はありません。数時間でも構いません。1週間に少しでも「自分のために学ぶ時間」を確保することが、成長への道となります。

おわりに

「誰もあなたのスキルは上げてくれません。自分で自分の学びの時間を作りましょう」というメッセージは、若手にとって非常に重要です。仕事が忙しい、疲れている、遊びたい。どれも本音だと思います。それでも、週末の一部を未来の自分”に使う人が、数年後に大きく伸びます。

社会人の勉強は、義務ではなく、自分を強くするための手段です。若手のうちにスキルアップの習慣をつくれば、さまざまな力が積み上がっていきます。そしてそれは、将来の仕事、評価、キャリアの選択肢に必ずつながります。

私の場合は仕方なく週末に学びの時間を作ったという面が大きかったのですが、それでも振り返ると大きく役立ったと感じています。非常に有意義な時間でした。

まずは、自分の好きなこと、強みをさらに強化するという視点で始めてみるのがいいと思います。

誰もあなたのスキルは上げてくれません。自分で自分の学びの時間を作りましょう。

若手育成、若手教育、若手研修の本質は、「教えられること」だけではなく、「自ら学ぶ力を身につけること」にあります。だからこそ、まずは週末の数時間からでも構いません。自分のための勉強を始めてみてください。

企業が若手育成で本当に期待しているのは、単に言われた作業をこなす人材ではありません。自分で考え、自分で伸びようと努力する人材です。

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この記事を書いた人

森田 浩史 代表・ビジネススキルアドバイザー、日立グループで38年間ITエンジニア・マネージャーとして培った経験を若手に提供
若手育成の専門家として、中小企業さまを中心にご支援させていただきます。