若手エンジニアが成長できる質問力とは?信頼される人になるための聞き方と習慣

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はじめに

皆さんは、わからないことがある場合、どうしていますか。もちろん、そのまま放置はしないでしょう。
今は昔と違って、ネットで調べることができますし、AIに聞くこともできます。けれども、仕事の現場で起きる不明点は、それだけでは解決しきれないことが少なくありません。業務の進め方、社内のルール、顧客ごとの事情、その場の優先順位、言葉の裏にある意図など、実際の仕事には、調べるだけでは分からないことが数多くあります。

そんなときに必要なのが、「質問する力」です。若手の成長において、この力は非常に大きな意味を持ちます。質問ができる人は、分からないことを放置せず、理解を深めながら前に進むことができます。

反対に、質問をためらってしまうと、曖昧なまま仕事を進めることになり、ミスや手戻りが増え、自信も失いやすくなります。

質問することは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分の成長に責任を持つ姿勢そのものです。若手育成、若手教育、若手研修、新入社員研修の場でも、本当に伸びる人は、受け身で待つ人ではなく、自ら学び、自ら問いかけ、自ら理解を深めていく人です。

質問は、若手が仕事を覚え、信頼を得て、将来キーパーソンへと成長していくための大切な架け橋なのです。

第1章 職場での質問は、成長のスピードを上げる

職場でわからないことがあったとき、臆せず質問することはとても大切です。皆さんの周りには、先輩、上司、他部門の担当者など、経験や知識を持った人がたくさんいます。つまり、職場の中には学ぶ相手が多くいるのです。その環境を活かさないのは、非常にもったいないことです。

ただし、ここで大切なのは、「わからないからすぐ聞く」だけではないということです。やはり下調べは必要です。自分なりに資料を見てみる、過去のメールを確認する、ネットで調べる、AIに聞いてみる、そこまでやったうえで、「自分はこう考えたのですが、ここがよく分かりません」と質問する。この事前検討があるだけで、答えをもらったときの理解の深さが大きく変わります。

例えば、「分かりません。教えてください」とだけ聞くよりも、「ここまで調べて、このように理解したのですが、この判断で合っていますか」と聞くほうが、相手も答えやすくなりますし、自分の思考も深まります。

質問とは、答えをもらうためだけのものではありません。自分の考えを整理し、相手の知見を借りて、理解を一段深くするための行動です。

特に若手のうちは、分からないことが多いのは当たり前です。大事なのは、分からないことをそのままにしないことです。どんな些細なことでも、自分の成長につながると考えて、しっかり質問することが必要です。それが、仕事を早く覚えることにつながり、仕事の効率化にもつながり、結果として周囲からの信頼にもつながっていきます。

第2章 職場以外での質問も、自分を大きく伸ばす

職場では比較的質問しやすい人でも、講演会、研修、勉強会、セミナーなど、大勢が参加している場になると、急に質問しにくくなることがあります。「こんなことを聞いてよいのだろうか」「初歩的だと思われないだろうか」と、ためらってしまうこともあるでしょう。

しかし、意外と周囲の人も同じ疑問を持っているものです。誰かが質問したときに、「それを聞きたかった」と思った経験はないでしょうか。実は、多くの人が分からないことを抱えながら、そのまま聞けずにいるのです。だからこそ、勇気を持って質問することには大きな価値があります。

質問をすると、質問した本人の理解が深まるだけではありません。周囲の人の理解も深まります。つまり、質問者と周囲の人との間でWIN-WINの関係が生まれるのです。

さらに、講師や説明する側にとっても、どこが伝わりにくかったのか、どの説明が不十分だったのかに気づくことができます。その意味で、質問は、聞く側と話す側の双方にとって有益です。

若手にとって、この経験はとても大切です。質問することで、自分の理解が深まるだけでなく、「周りにも貢献できる」という実感を持つことができます。これは、コミュニケーション力や主体性の向上にもつながります。質問は、自分のためだけの行動ではなく、その場全体の学びを深める行動でもあるのです。

場違いな質問をしてしまって、後悔することもあるかもしれません。そして、本人はそれを引きずってしまう場合もあるでしょう。しかし、これは本人だけのことで、周囲の人は会議が終われ誰も覚えていないことがほとんどです。奥ぜず質問をすることのメリットの方が皆さんにとって断然大きいのです。

第3章 質問の効果は、知識をスキルに変えることにある

会議や大きな会場で、「こんなことを聞いていいのかな」と躊躇したことはありませんか。また、誰かが質問したことで、自分の理解が深まった経験のある人も多いでしょう。多くの人は、その両方を経験しているのではないかと思います。

質問の大きな効果は、曖昧な理解を明確にすることです。頭の中で何となく分かったつもりになっていても、実際には理解が浅いことがあります。しかし、質問を通して確認すると、どこが分かっていて、どこが分かっていないのかがはっきりします。そして答えを聞くことで、表面的な知識ではなく、実際の仕事に使える知恵へと変わっていきます。

ここで大事なのは、「質問して終わり」にしないことです。教えてもらったことをメモし、次に同じような場面が来たときに自分でやってみる。そうすることで、質問は初めて自分のスキルになります。質問の本当の価値は、疑問を解消することだけではなく、自分の行動を変え、仕事の質を高めることにあるのです。

また、人数の多い場では、どうしても質問をためらってしまうことがあります。そのようなときは、私は、休み時間や講義の終了直後に講師に駆け寄って質問しています。

大切なのは、その場で聞けたかどうかではありません。最終的に、疑問点を残さないようにすることです。成長する人は、ここを曖昧にしません。聞くタイミングを逃しても、別の方法で必ず確認し、自分の中に疑問を残さないようにします。

第4章 リモート時代こそ、質問力が差を生む

相手の表情が見えにくいリモートの講義やオンライン研修でも、不明点は当然出てきます。むしろ対面よりも、質問のタイミングが分かりにくく、遠慮してしまう人が多いかもしれません。チャットに質問を書くことが多いですが、時間の関係ですべてが取り上げられるとは限りません。

そのようなときこそ、「分からないままで終わらせない」という意識が重要です。

私は、講師の名前や社名を控えて、終了後にホームページの「問い合わせ」から連絡を取り、質問するようにしています。このように、自分から動いて疑問を解消しようとする姿勢が、若手の成長には欠かせません。

私は、実際にお願いして講師の方に会ってもらった経験もあります。その後、Facebookで繋がり、後に懇親会を開いていただき他の講師仲間にも紹介してもらいました。

人は意外と、頼られることをうれしく感じるものです。質問されることで、自分の経験や知識が役に立っていると感じるからです。ですから、必要以上に遠慮しすぎる必要はありません。もちろん、相手への配慮は必要ですが、礼儀を持って質問することは、決して迷惑ではありません。

リモートの時代だからこそ、待っていても学びは深まりません。自分から理解しにいく姿勢、自分から学びにいく姿勢が、若手の成長を大きく左右します。オンラインか対面かに関係なく、質問する力は、これからの時代にますます重要になるでしょう。

第5章 質問できる若手が、信頼される人になる

企業で本当に評価される若手は、単に言われたことをそのままこなす人ではありません。分からないことをそのままにせず、自分なりに考え、必要なタイミングで適切に質問し、学んだことを次に活かせる人です。そうした人は、仕事の精度が高まり、周囲との連携もうまくなり、顧客対応でも信頼を得やすくなります。

質問することは、コミュニケーションそのものです。相手の話をきちんと聞くこと、分からない点を整理すること、相手に伝わる形で尋ねること、答えを受けて行動に反映すること。この一連の流れの中に、若手に必要なビジネススキルが詰まっています。自己管理、報連相、傾聴、理解力、行動力、どれも質問する習慣の中で鍛えられていきます。

また、質問できる若手は、周囲から「この人は前向きだ」「成長意欲がある」と見られます。これは大きな強みです。先輩や上司も、成長しようとする人には力を貸したくなるものです。つまり、質問することは、知識を得るだけでなく、人との関係をつくることにもつながります。質問は、若手の成長を早めるだけでなく、信頼を築くための行動でもあるのです。

おわりに

質問することは、若手にとって最も基本でありながら、最も大きな成長効果を持つ行動の一つです。

職場での質問、職場以外での質問、会議やセミナーでの質問、リモートでの質問、そのどれもが、自分の理解を深め、知恵を増やし、仕事の質を高めてくれます。

分からないことを放置しない。まずは自分で調べる。自分なりに考える。そして勇気を持って質問する。教えてもらったことを次の行動に活かす。この積み重ねが、若手の成長を確かなものにします。

若手育成、若手教育、若手研修、新入社員研修において、本当に重要なのは、知識を与えることだけではありません。自ら学び、自ら問い、自ら成長していく姿勢を育てることです。その出発点が、「質問をしよう」という姿勢です。質問できる人は伸びます。質問を大切にする人は、仕事の中で着実に力をつけていきます。だからこそ、今日からぜひ、分からないことをそのままにせず、一つひとつ丁寧に質問していってください。その行動が、皆さんの未来を大きく変えていきます。

東京都内の企業様へは直接研修詳細のご説明に伺います。
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この記事を書いた人

森田 浩史 代表・ビジネススキルアドバイザー、日立グループで38年間ITエンジニア・マネージャーとして培った経験を若手に提供
若手育成の専門家として、中小企業さまを中心にご支援させていただきます。