自己投資 最も効果的な投資術:準備した人だけが未来を味方に
はじめに
自己投資という言葉を聞くと、資格取得や高額セミナーのような“特別なこと”を想像するかもしれません。しかし、本質はもっとシンプルです。
「未来の自分が成果を出しやすい状態を、“今”先に作っておくこと」です。
若手のうちは、この投資効率がとても高い時期です。なぜなら、仕事についてのやり方・学び方・時間の使い方がまだ固定されていないので、良い習慣を入れた分だけ成長が加速するからです。
第1章: 身銭を切って自分に投資する
私が部長の時、新人の入社懇親会で何度かお話ししたテーマです。
とても重要なこと、と言うことです。
歳を気にする必要はありませんが、特に若い人はぜひ自分の成長につながることに投資してください。直接仕事に関係すればベストですが、まずは、自分の好きなこと、あるいは得意なことへの投資がいいかと思います。これらの事は不思議と将来仕事にも役立って来ます。
セミナーに通う、投資を学ぶ、本(専門書以外も)を読む、英語を習う、ジムに通うなど。
この例が示しているのは、「自己投資は業務スキルだけではない」ということです。たとえばジムに通うのは、単に体を鍛える以上の意味があります。集中力が上がる、疲れにくくなる、メンタルの回復が早くなる。こうした“仕事の土台”が整うと、同じ能力でも成果が変わります。
そして、自己投資でいちばん大事なポイントは「身銭を切ること」。
仕事を始める前は、学校にしても、習い事にしても多くの人は親に頼っていたのではないでしょうか。自己投資の最も大きなポイントは“身銭を切って自分に投資する”と言うことです。
自分で費用を払うと当然ながらサボることがなくなるでしょう。しかも、もとをとるために一生懸命頑張ることになりますよね。
ここで言う“身銭を切る”は、根性論ではありません。継続の仕組みです。無料だと後回しになりやすい。自分で払うと「回収したい」が働いて、自然に続きます。
若手におすすめなのは、いきなり大きく賭けることではなく、まずは小さく始めて、続いたら投資額を上げること。最初の一歩は、本1冊でも、体験レッスンでも、月数千円の講座でも十分です。
第2章:自己投資は「回収」してこそ意味がある
自己投資は“やった気”で終わると、もったいない投資になります。大事なのは「回収」です。回収とは、何か特別な成果のことではありません。若手にとっての回収は、たとえば次のような現実的な形で現れます。例えば、関連業務のスキルや知識向上に投資すると、
- 仕事が速くなり、残業が減る
- ミスが減り、信頼される
- 相談や調整がスムーズになり、ストレスが減る
- 任される範囲が広がり、裁量が増える
自己投資のテーマを決めるときは、「期間を区切って、何が変わっていたら回収と言えるか」を決めてみてください。回収基準があると、学びが“行動”に変わりやすくなります。
第3章:英会話の経験が教えてくれる「伸びる人の共通点」
私の場合は英会話のスクールへ通ったのが一番大きい投資のように思います。始めた時は、特別仕事で必要だったわけではありませんが、漠然と話せるようになりたかったこと、英語が割りと好きだったことが起因しています。自分の世界を広げられるような気がしていました。
今思えば若いのですが当時は30歳前で始めるときに「今頃から英語を始めるの」、と友人から言われました。英語の学びを開始するのが遅すぎるのでは、と言う意味です。
このエピソードは、若手にとってすごく大事な示唆があります。周囲は「今さら?」と言うかもしれません。でも、学びは“始めた人”が勝ちます。将来必要になるかどうかは、実際のところ読めません。読めないからこそ、可能性が広がる方向へ先に投資する価値があります。
スクールに入って一年後にTOEICを受けさせられましたが、お恥かしいのですが、この時に、TOEICが何か知りませんでした。
ちょうどこの数年後、日立でも社内英検の制度でTOEICが採用されました。
当初いかにTOEICの点数が低かったかがばれてしまいますが、初めの受験から3年連続で毎年100点程度スコアが上がっていました。
ここがポイントです。最初からできる必要はない。伸びる仕組みがあれば伸びる。
仕事でも同じです。新人のうちに完璧であることより、「改善し続ける力」を付ける方が、成長に繋がります。毎年100点上がったのは、才能の話というより“取り組み方”の勝利です。
ジムへ通うのであれば“行って帰ってくれば”(通えば)必ず成果に結びつくでしょう。しかし英会話の場合はそう簡単ではなりません。
自己投資には2種類あります。
一つは、行けば成果に結びつきやすい投資。もう一つは、行くだけでは伸びない投資。
英会話、プレゼン、交渉力、文章力などは、後者です。ここを誤解すると「通っているのに伸びない」が起こります。
身銭を切っているので、やはり真剣になります。
英語はスクールに行くだけでは上達しません。しっかりと復習をして、学ぶようになりました。そして、毎回授業の開始前に早めに行き先生に質問していました。また、ラジオ英会話なども聞くようになりました。今思うと意外と努力していましたね。やはり、自分で身銭を切っているからでしょう。
復習する。早めに行って質問する。日常の中で触れる。つまり、受け身で終わらせず、学びを習慣化している。若手が自己投資を回収できるかどうかは、ここで決まります。
研修を受けたら翌日にメモを整理する、先輩に一つ質問する、業務で一つ試す――こうした小さな一手が、成長を現実に変えます。
自分が自己投資するターゲットに合わせて、ぜひ努力を惜しまず、投資を回収しましょう。
不思議なもので、その後業務の中で海外出張の機会が計10回程度ありました。
何故か役に立つものです。
始めた時は想像もしていませんでしたが、気がつけば自社製品のプレゼンを海外で行っていました。
この「不思議なもので」が自己投資です。未来は読めない。でも、準備していた人にだけ出番が回ってくる。若手の皆さんにも、突然のチャンスはやって来ます。そのときに備えておくのが自己投資です。
また、プライベートでも海外旅行へ行き、地元の人と直接話すことができ、世界が広がり、人生も豊かになったと感じます。一人でのカナダ旅行は今思い返してもとても貴重な経験でした。
自己投資は仕事だけのためではありません。人生の視野が広がります。これもまた、回収の形の一つです。
第4章:若手が迷わず動くための「始め方」
自己投資を始めるときのポイントを以下に示します。
考える機会を持つことが大切です。
まずは、何と言っても何をやるべきか考える時間を作ることです。
これは歩きながらでも、通勤途中でもいつでもできるでしょう。
できれば好きなこと、強みにフォーカスすれば決めやすいのではないでしょうか。
立ち止まらないで、すぐに始めることが重要です。
そして、ターゲットが決まったら迷わず、すぐに始めることです。
しかし、下調べはしっかりとやりましょう。怪しいセミナーなどもあるようです。
宣言することで、やらざるを得ない状況を作ることも必要。
そして、誰かに自己投資の内容を話してみることです。
すると意外とやらざるを得ない状況が作れます。
私の研修では、事前宿題として、自己投資の内容を考えてきてもらいワークでチームごとに発表ディスカッションを行っています。発表して言語化すると、継続しやすくなります。
皆さんも自分なりの自己投資を考えぜひ、楽しい成果に繋げてください。
おわりに:自己投資は、若手の「伸びしろ」を現実に変える
自己投資は、才能のある人のためのものではありません。むしろ、まだ伸びしろが大きい若手のための、最も効果的な投資術です。
考える時間をつくる。
好き・得意を中心に決める。
立ち止まらず小さく始める。
下調べは怠らない。
宣言して続ける。
そして回収する。
これを回せる人は、数年後にまったく別の景色を見ています。
自己投資の原理は驚くほどシンプルです。未来は読めない。
でも、準備した人だけが未来を味方にできます。
東京都内の企業様へは直接研修詳細のご説明に伺います。
また、東京都外の企業様へはZoomにてご説明させていただきます。
お気軽にお問い合わせよりご連絡ください。
この記事を書いた人

森田 浩史 代表・ビジネススキルアドバイザー、日立グループで38年間ITエンジニア・マネージャーとして培った経験を若手に提供
若手育成の専門家として、中小企業さまを中心にご支援させていただきます。

